ハーバライフ株をめぐって、また新たな動きが出ている。売り方である米ヘッジファンド運用会社パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントのビル・アックマン氏が「政府(米FTC)がきっと関係者を逮捕してくれるものと信じている。もし明日、ハーバライフの会社がなくなれば、わたしは20億ドル儲かる」と述べた。CNBCに9日出演して述べた。
アックマン氏のパーシングスクエアが大掛かりなショートを仕掛けたのが2012年の12月だった45ドル~50ドルのレンジで空売りを仕掛けたが、現在の株価は60ドルを上回っている。一時は70ドル以上だった。
ハーバライフ株のショートにこれまでに合計で20億ドルの投資を行っており、上がり続ければ歴史的な大敗を喫する。
ダニエル・ローブ、ジョージ・ソロス、カール・アイカーンの大物各氏がロングでハーバライフ株に参戦。また、2014年の株式市場が右肩上がりということもあり、損失は広がっている。
その仇敵のアイカーン氏についてだが、「カール・アイカーンはハーバライフ株を売却すべきだ。もしそうするなら、十分な利益が出るからだ」とメッセージをおくった。
ピラミッドスキームであるとの当初からの批判は続けており、ロビー活動も行ったとされ、企業の独占禁止と消費者保護を管轄する米FTC(連邦取引委員会)も調査を行っている。ハーバライフは「市場に誤った情報があふれている」と反論のコメントをしていた。
アイカーン氏だが、アックマン氏がロングを呼び掛けるファニーメイを680万株購入するなど、なぜか「歩み寄り」とも思える行動、あるいは儲けに対して忠実に合理的な行動をとっているだけか。
アイカーン氏も一時はハーバライフ株を16.8%まで保有、現在は保有割合を減らしているが、2013年は30.8%のグロスリターンをあげている。ローブ氏、ソロス氏はすでに売却している。
もちろん逮捕者が出るまでになれば、アックマン氏の悲願は報われることだろうが、どうなるか。