ニンニク注射や、セレブ御用達などで知られる医療法人社団貴生会(東京・六本木7)が、東京地裁に自己破産を申請し、破産開始手続きの開始決定を受けていたことが11日、帝国データバンクの調査でわかった。負債は医療法人が約3億6429万円で、関連会社などで合計10億1780万円に上るという。
貴生会は1993年7月に設立で、平石クリニックを運営。診療科目は、内科、循環器科、消化器科、整形外科、皮膚科で、専門は内科で特にスポーツ医学に精通し、清原和博選手らプロ野球選手の診察も行っていた。また、芸能人の来院も多く、覚せい剤取締法違反(所持・使用)の疑いで逮捕されたASKA容疑者も使用していた。
帝国データバンクによると、2005年4月期には年売上高約3億4800万円を計上していたという。ただ、富裕層を対象とする保険外診療に依存していたために、人気しだいで患者数が安定せず診療報酬は年々落ち込んでいったという。
2010年には医療法人としての実質的な活動は停止し、12年の設立許可取り消しで解散した。
院長の平石貴久医師はASKA容疑者の主治医として、アンナカ(安息香酸ナトリウム)を処方したことも明かしていた。