日本の富裕層人口は124万人で世界3位に、そして、家計金融資産は対前年比で4.8%増の15兆ドルになったことが、ボストンコンサルティンググループの調査グローバルウェルス・レポート2014によって明らかになった。今回のレポートで面白い点は、資産1億円以上の富裕層人口密度、資産100億円以上の超富裕層密度のランキングも発表した点。日本は富裕層人口こそ多いが、どちらも圏外だった。
富裕層は米国、中国、日本の順に多く、超富裕層は米国、中国、英国の順。しかし、人口密度にすると、まったく異なるランキングとなる。「石を投げれば金持ちに当たる」と言えば言葉は悪いが、人口密度が高いのは中東、さらに、スイス、香港、シンガポールなどの国々だった。
◆富裕層人口密度
1 カタール 17.5%
2 スイス 12.7%
3 シンガポール 10.0%
4 香港 9.6%
5 クウェート 9.0%
6 バーレーン 5.9%
7 米国 5.9%
8 イスラエル 4.6%
9 台湾 4.2%
10 オマーン 3.4%
◆超富裕層人口密度
1 香港 16.8%
2 スイス 11.3%
3 オーストリア 9.3%
4 ノルウェー 8.3%
5 シンガポール 7.4%
6 カタール 7.1%
7 クウェート 4.5%
8 NZ 4.1%
8 ベルギー 4.1%
10 米国 3.9%
10 英国 3.9%
超富裕層では、オーストリア、ノルウェーが上位に食い込んでくる。
ちなみに、資産1000億円以上の大富豪は、オーストリアでは国内ナンバー1の資産を誇り日本でも馴染みがあるレッドブルのディエトリッチ氏がいる。資産は93億ドル。ノルウェーには、著名ヘッジファンド運用会社バイキング・グローバルのアンドレア・ハルボーセン氏らがいる。
オーストリアは近年、相続税を廃止。ノルウェーは福祉国家なので、1%の富裕税、25%の消費税はあるものの、別の調査では成人1人あたりの富の平均、中央値ともに世界3位となっている。
また、10位以内には入っていないが、カナダは富裕層人口密度は2.9%、超富裕層人口密度では3.5%とともに15位となった。広い国土ながらも、投資移民制度が充実していることもあり、健全な財政、相続税など税制面の恩恵や良好な教育環境など魅力も多いのだろう。
また、富裕層の資産にはオフショアに移行する分もあるが、その総額が8.9兆ドルに上る。2012年の前年比10.4%増、13年は同14.6%増となった。内訳は次のとおり。