サッカーのW杯ブラジル大会が日本時間の13日に開幕した。現在の同国の富裕層事情と、将来を見てみることにする。
前回の2010年南アフリカ大会を経て、南アは富裕層が28.5%増加しており、また、2009年と2013年を比較すれば、海外からの直接投資が163%増加していた。ブラジルの場合はさらに、2016年に五輪を控えているということもあり、さらなる加速が予想され、南ア以上の速度で富裕層が増えそうだ。
ちなみに、ゴールドマンサックスのレポートによるW杯予想によると、ブラジルの優勝確率は48.5%。
株式市場だけで見ると、開催国、優勝国ともにあまりリターンには恵まれているとは言いにくい。大きなリターンが出たのはドイツ。06年ドイツ大会で開催後1年で18.4%のプラス。74年の同じくドイツ大会で21.8%となったのが近年では最もリターンが出た例だが、そのほかはマイナスも珍しくない。
ブラジルの場合は2016年の五輪開催が控えているために、それでいかに補えるかがポイントになるのではないか。
各都市ごとの富裕層人口は次のとおり。サンパウロ、リオといった大都市に集中しており、地域間格差があるようだ。また、富裕層平均年齢は58歳だという。
サンパウロ 6万5058人
リオデジャネイロ 1万7349人
ベロホリゾンテ 1万1277人
ブラジリア 6939人
ゴイアニア 6072人
クリチバ 3470人
フォータレザ 3470人
バルエリ 3036人
ポートアレグレ 2169人
カシアスドスル 1735人
ブラジルでナンバー1の大富豪は、酒造大手アンハイザー・ブッシュ・インベブのジョージ・パウロ・ルマン氏で、資産は223億ドル。世界で30位の大富豪となっている。
これまでは、アイク・バティスタ氏がその座に就いていたが、資産の99%、3兆円以上の資産を失うという出来事もあった。