フランス政府の富裕層増税政策に対して怒り移住を宣言していた、大御所俳優ジェラール・ドパルデュー氏が、ロシアの税務当局に2013年は所得税6%を納めていることが、露紙イズベスチャの報道でわかった。
ただ、この法案は結果的には、フランス憲法制定評議会で違憲であるとの決定が下された。75%というあまりにも高い税率は、広く平等の原則から成る納税の精神から離れたものになるために、違憲となったようだ。
それでも、政府の増税方針が変わることなく、今後も手を変え品を変えて新たな増税策を実行してくると不信感を持っていたことだろう。その宣言通りにロシアに移住していたようだ。
イズベスチャによると、ロシアは収入額に関わらず、フラットタックスで税率は一律13%と決まっている。ただ、ドパルデュー氏は年収が6000万ルーブル未満の個人事業主だったために、6%が適用されたという。
2014年現在のフランスの所得税は次のようになっている。
◆個人所得税
・6011ユーロ以下 非課税
・6011ユーロ~1万1991ユーロ 5.5%
・1万1991ユーロ~2万6631ユーロ 14%
・2万6631ユーロ~7万1397ユーロ 30%
・7万1397ユーロ~15万1200ユーロ 41%
・15万1200ユーロ超 45%
また、25万ユーロ以上の高額所得者は、特別課税が課される。
・25万~50万ユーロ 3%
・50万ユーロ 4%
また、100万ユーロを超える給与所得については雇用主の企業にも100万ユーロを超えた部分に50%課税される。
ドパルデュー氏の年収は50万ユーロ以上と推測されるため、約50%の所得税を支払っていたと見られる。さらに、フランスは資産に応じて税金が掛る。
◆富裕税(純資産130万ユーロ以上が対象)
・80万ユーロ未満 非課税
・80万~130万ユーロ 0.5%
・130万ユーロ~257万ユーロ 0.7%
・257万ユーロ~500万ユーロ 1.0%
・500万ユーロ~1000万ユーロ 1.25%
・1000万ユーロ超 1.5%
(日本貿易振興機構より)