「世界の山ちゃん」「すしざんまい」「北斗の拳」と聞いただけで、共通点が分かる人はなかなかいないだろう。
飲食チェーンのエスワイフード、喜代村の2社の社長、そして北斗の拳の原作者の武論尊氏の3人の共通点は自衛隊出身という点だ。
木村清 喜代村
兼重宏行 ビッグモーター
山岡正 丸千代山岡家
斯波眞澄 レイズ
日高大輔 ワンシステム
山本重雄 エスワイフード
※敬称略
週刊ダイヤモンド(6月21日号)で自衛隊の大々的な特集が組まれているが、そのミニコラムの中で、主な自衛隊出身の社長として上記の6人の名前が列挙されている。
コラムには挙がっていないが、そのほかにも有名人は多い。前出の武論尊氏や、同じく漫画家の本宮ひろ志氏、数々の有名ゴルファーを輩出したゴルフ塾を主宰する坂田信弘氏、俳優の今井雅之氏らもいる。
だが、民間での成功はかなり厳しいのが現実である。実際には成功確率は1割くらい、とも言われる。
というのも、自衛隊内では、決められたマニュアルで規則正しく行動をすることが求められるが、法治国家とは言えども世の中はそこまで杓子定規に物事が決まるわけではなく、何が起きるか予測不可能なことも多い。「融通が利かない」などと陰で言われることも多いそうだ。
また、基地内での生活は自由度は低いものの、衣食住が完全に守られているなど、外の世界とは環境面の変化も大きい。
だが、外の世界でも技能を活かす道も中にはあるという。防犯、セキュリティ関連、さらには、同じ公務員として、取得した資格が役に立つ、消防士なども即戦力だという。いわゆる天下り先には、三菱重工、ALSOKなどがある。