米コーチが北米70店閉鎖へ 売上は来期2ケタ減

 米ブランドのコーチは19日、北米の既存店舗70店を目標に閉鎖するために、来期の売上高は2ケタ減になる見通しであると発表した。台頭著しいライバルのマイケルコースの後塵を拝する店舗も多く、大胆な事業再構築に向けた店舗閉鎖を予定する。しかし、劣勢になったブランドの巻き返しは難しい。


 コーチの発表は衝撃的なもので、この日のNY株式市場で同社株は前日比約10%下落した。北米の店舗数は直営店、百貨店、アウトレットなどすべて合わせて約500店舗ある。その中で、今後の収益改善が見込めない店舗70店を目標に削減するという大胆なリストラ案だけに、株価へのインパクトは大きかったようだ。

 コーチは、1941年にNYマンハッタンで、家内制工業として生まれたブランド。アクセシブルラグジュアリーのブランドコンセプトの下、レディースのハンドバッグに記されているおなじみのエルゴマークは拡大していった。

 主力の女性向けハンドバッグは事業ポートフォリオでは徐々に減少しており、昨年は女性ハンドバッグ58%、女性アクセサリー23%、メンズ11%、その他8%となっていた。それでも、2013年通期売上高は、前年比6.6%増の50.8億ドル、北米では4.9%増の34.8億ドルと好調だった。

 しかし、ラグジュアリーブランド業界全体が好調な中にあっては、目立つものではなく、株価は米国ブランドを示す青線(ギャップ、ゲス、Lブランズ、PVH、ラルフローレン、ティファニー、VFコーポレーション、ウィリアムズソノマ)に比べて、コーチを示す赤線は、2012年後半から完全においてけぼりを食っている。その点は、コーチもあえて昨年度の決算書の中で発表している。



 また、最近、激しい追い上げを見せるマイケルコースが昨年、新規株式上場し脚光をさらに浴びるようになり、差は明確に。コーチは北米の12の旗艦店舗を中心にした建て直しを行う。

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