米国の資産家でフィランソロフィスト(慈善家)のユゲット・クラーク氏の遺産である、ヴァイオリンの名器ストラディバリウスがクリスティーズオークションに出品されていたが、落札されなかった。入札スタート額が750万ドルで、落札額は1000万ドルになると見積られていた。
ストラディバリウス(クリスティーズより)
ストラディバリウスは、イタリアの弦楽器製作者アントニオ・ストラディバリ(1644~1737年)が製作したバイオリンで現存するのは600器程度とされる。音質の良さ、さらには外観の形状などが語り継がれ、オークションでは高額取引となる。これまでには、日本音楽財団が2011年に、ストラディバリウスの「レディー・ブラント」(1921年)を1590万ドルで落札したのが、史上最高額となっている。
今回出品されていたものは、仏の宮廷ヴァイオリニストであったロドルフ・クラウツェルが最初のオーナーとされる。
ユゲット・クラーク氏(6歳時)
先に、ユゲット・クラーク氏のコレクションの一部であった、モネの代表名画「睡蓮」が1926年以来88年ぶりに、5月のクリスティーズオークションに出品され、2400万ドルで落札された。長年にわたる相続でもめたクラーク家だが、数々の芸術品が今回のオークションで落札されている。その合計額は846万ドルに上っている。
一度、出品者の財団の手に戻る。
これまでのストラディバリウスの主な落札額。
◆2005年 レディ・テナント 203万ドル
◆2006年 ハンメル 354万ドル
◆2011年 レディー・ブラント1590万ドル