人気アーティストGACKTさんの前所属事務所、前ファンクラブ運営会社の社長らが、架空外注費を水増しし、所得3億円以上を隠したとして法人税法違反の罪に問われた3人の被告に対する初公判が26日、東京地裁で行われ、3人は罪状認否で「相違ございません」と全面的に罪を認めた。また、脱税の動機として、GACKTさんの移籍資金のために借り入れた3億円の返済のためだったことも冒頭陳述で明らかにされた。
イベントなどの経費をねん出するために架空経費を水増しし東京地検特捜部に逮捕・起訴されたのは次の3人。
・前ファンクラブ運営会社「DEARS」社長=玉置公祐被告
・前事務所「GORDIE ENTERTAINMET」社長=長谷川裕被告
・映像制作会社「スキンクリエイト」社長=池内健一郎被告
検察側の冒頭陳述によると、玉置容疑者らは、ファンクラブ、所属事務所でイベントの経費を水増し、平成20年10月~21年9月の所得約1億3150万円、同21年10月~22年9月の所得約1億8800万円を過少申告し、約5800万円を脱税した。その際に経費水増しのために、池内被告の会社スキンクリエイトに口座を作成させ還流させるなどして、3人で共謀し架空の取引を作り出していた。
その動機として、背景にはGACKTさんの元々の所属事務所「ミュージアムミュージアム」から移籍する際に、その移籍金として支払った3億円にあった。
GACKTさん独立にあたって、玉置被告は平成18年に3億円をねん出するために、全額を借入に頼った。独立後は、毎年数百万円の利息支払いを行っていたのだが、元本の支払いが困難だったために、まとまった資金のねん出を行う目的で、工作を思い付き実行することにしたという。
しかし、途中で税務調査に発覚すると思い、3人は共謀して外注先を変えたり、外注額を操作するなどして発覚を先延ばしにしようとしていたことも指摘された。
現在の所属事務所は「同社の法人税法違反容疑に関してコメントする立場にもありません。今回の法人税法違反容疑に対して、1日も早い事実関係の究明を願っています」と、3人の逮捕時に正式にコメントしている。
東京国税局は、3人が立件される前に世田谷区のGACKTさんの自宅に調査に入っている。