ブラジル-チリ戦、観戦者9割がアッパー層

 ブラジル紙フォリオ・ジ・サンパウロの29日の報道によると、サッカーW杯ブラジル大会のブラジル-チリ戦を競技場で観戦した人のうち約90%が高等教育を受け、5段階の収入ランクで分けると最上位層であったと伝えた。日本では「9割が富裕層」という報道が目立つが、かなりオーバーな表現となっている。

 ブラジル-チリ戦が行われたベロオリゾンテのミネイロン・スタジアムは収容人員は6万人強で最大でも約7万人。この中で現地の調査会社が観戦者693人に直接聞いたという。全体から見れば、1%程度のサンプル調査で抽出している計算となる。また、そのうちの75%が男性であったという。

 収入レベルは5段階に分類しているというが、上位A、Bの2つのクラスで全体の90%を占めたという。ブラジルでは上位2クラスが占める割合は、15%程度だという。世の中とスタジアムの中が明らかに違うということが、これだけでもわかる。

 一方で、スタジアムでの中間層であるCクラスはわずか9%だけだったという。

 また、人種は67%が白人。観戦者の86%は高等教育を受けていたという。観衆約7万人の9割が富裕層というのは、明らかな言い過ぎだが、これだけの偏りがあることだけは確かだ。ブラジル国内では開催への反対意見も根強く、格差を如実に表す結果となっている。

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