中国で米自動車メーカー、テスラのオーナーが、レンチでフロントガラスを破壊するパフォーマンスを行って、その模様の動画がインターネット上で拡散して波紋を呼んでいる。オーナーは「テスラは傲慢だ」と主張。17万ドルの「テスラS」が破壊された。
動機は、昨年10月にオーダーしたオーナーが、納品日までに届かないために怒りを態度に表した格好だ。実は、このオーナーだけでなく、他のオーナーも納品遅れが相次いだらしく、中には弁護士を立てて話し合いを行うなど納品でトラブルがあったオーナーが多数いたという。
中国国内でのサービス対応はまだまだのようで、中国人オーナーも他の国のオーナーと同じく手厚いアフターサービスを受けたがっているという。しかし、対応が悪く、それを訴えるために、抗議の手段として、こうしたバイオレンスなパフォーマンスで訴えているらしい。
実は過去にも、同様の例があったが、それは次のとおり。
◆主な中国での高級車破壊パフォーマンス
マセラッティ・クアトロポルテ 13年5月
青島モーターショーという目立つ場で、壊し屋を雇い、オーナーが
持ち込んだ車を殴打させた。ディーラーの修理対応が悪かったことが
きっかけだという。
ランボルギーニガヤルド 11年3月
日本で購入したという中古車だが、2カ月で故障。修理に出すとさらに
欠陥部位が増えて戻ってきたという。抗議をするも返答がないために、
人を雇って解体パフォーマンスを行った。
今回はオーナー自身が引き渡しの際に、レンチを持ち込んでフロントガラスを数回殴打した。
会社経営者のこの男性は「テスラの態度が許せんのだよ。これは会社に対する抗議だ」と米WSJの取材に対して答えている。
BMWが、中国は世界最大のEV車市場に成長するとの見通しを立てており、また、中国政府もハイブリッドカーなどの普及目標を立てている。新興のテスラとしては、とんだつまずきとなった。