富裕層のソーシャルインパクトへの意識度の高さで、インド、中国、インドネシアなどアジアが上位を占めていることがわかった。キャップジェミニ&RBSの「ワールドウエルスレポート2014」によるもので、トップはインドで90.5%。それに対して、日本は平均以下の50.3%だった。日本には富裕層は多いが超富裕層は少ないために、仮に社会的な関心が高くてもそこまで余裕がないのではないかと推測できる。
日本は50.3%
ソーシャルインパクトとは、自身の何らかの活動によって社会貢献などに波及させ社会を変革することを指す。欧米ではソーシャルインパクトを実現するためのファンドや債券なども存在する。一概に寄付をしたり慈善活動をすることがすべてではなく、何をすれば社会を変革できるかということは当然ながら定義はされてはおらず、まだ日本にもしっかりと根付いているものでもない。まさしく、各自の価値観で各自のやり方で十人十色ということになるだろう。
ワールドウエルスレポートだが、元々このレポートは、富裕層の国別人口を発表することで世界中の各種メディアで取り上げられることが多い。しかし、目立たないものの、今回は新たにソーシャルインパクトの意識調査が加わっている点は興味深く、各国の富裕層の考え方がわかる。
高い上位5カ国はインド、中国、インドネシア、香港、マレーシア。いずれも80%以上が高い関心を示しているが、先進国はそれほど高くない。全体平均が60.5%だが、日本の50.3%をはじめ、米国、英国、フランス、スイスなどが平均以下となっている。
何を持ってソーシャルインパクトとするかは難しいが、日本は富裕層人口こそ 232.7万人と世界で2番目に多いが、その割には超富裕層は少ない。なかなか、そこまで気が回らないということもあるだろう。また、他のアジアの国々が高い関心を示す理由の一つに、周辺環境にはまだまだ貧困が身近にあるという点もあるだろう。先進国よりも関心が高くなるのは自然だ。