W杯の本当の勝者は「バニシングスプレー」発明者か

 サッカーW杯ブラジル大会はドイツの24年ぶり4度目の優勝で幕を閉じた。では、この大会で本当の勝者は誰だったのだろうか。サッカー選手という特別な才能の職業をのぞけば、やはり消えるスプレー、こと「バニシングスプレー」だろう。今後はUEFA、プレミアリーグなどでの使用も検討されているといい、この発明者がクリスチャーノ・ロナウド選手やリオネル・メッシ選手と同じくらいの稼ぎ手となっている可能性もある。


アイネ・アレマーニ氏(フェイスブックより)
 発明し特許を取得しているのは、ブラジル人のアイネ・アレマーニ氏(43)。白線を引いてから60秒後には消えるというこのスプレーは、バニシングスプレーと呼ばれ、この大会で世界中の人の目に触れることになった。今大会での使用は無料という約束だが、それが恐ろしいほどの宣伝露出効果になったことは間違いない。

 そもそもフリーキックの際にディフェンスをする側、いわゆる壁と呼ばれる選手たちは、キッカーから最低10ヤード以上離れなければならない。しかし、駆け引きで壁が前に出てきたり、あえて時間を遅らせるために前に出たりすることがあり、レフェリーがそうした行為を防止するために有効である。

 アレマーニ氏は以前からずっと、審判の円滑な試合進行のために何とかならないかとずっと考えていたのだという。2000年のアルゼンチン-ブラジル戦を見た際に、思いついたのだという。白線を引くマーカーで試合の円滑化、さらには環境面での配慮したものがあればと。


バニシングスプレーを使う西村雄一主審
 ブラジルメディアに語ったところによると、試しに、ひげそりのシェービングフォームを自分の腕に吹きつけてみたそうだ。それがヒントになっている。ここから製品化に向けて動き出したという。

 成分は、水、ブタンガスが主成分で、芝上に泡が散布することで、時間とともに蒸発するために、色は残らない。そのために環境面でも有用とされる。

 南米ではすでに使用されることも多くなっているが、今後はUEFA、英プレミアリーグでの使用も検討されているといい、選手以上の成功例が生まれそうだ。

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