大手ヘッジファンド、60億ドルの課税逃れの疑い(上院小委員会)

 銀行でバスケットオプション取引の口座を開き、銀行にポートフォリオの所有権を与えたという。銀行側がポートフォリオマネージャーを形の上で雇用する。しかし、実際のトレードの裁量・決定については、ファンド側が持つという二重構造を作っていた。



 短期の取引を、低い税率である長期の取引に変換する仕組みを使って、税率を低く抑えていたと見られる。メダリオンのオプション取引はほとんどが3カ月未満に集約されていることが下の図表でわかる。 


 さらに銀行のオプションの手数料体系だが、こちらもルネサンス用の優遇された手数料となっていることが判明した。

◆バスケットオプションの手数料体系(2000~13)
 
       オプション ルネ社用 
バークレイズ 24.5ドル  6.2ドル
ドイツ    20.8ドル  4.8ドル
※10億ドル

◆バスケットオプションの販売(1998~2014)

       販売  売上  ルネ社用 ルネ社の利益
ドイツ    156  571ドル  36    16969ドル
バークレイズ 43   655ドル  43    18484ドル
※100万ドル

 IRSは2010年に、バスケットオプションの租税回避に関しての警告書を発表していた。その際には、社名は書かれていなかったが、ルネサンス・テクノロジーズを指して警告していたものだと推察される。

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