ハーバードに15億円寄付しただけで大炎上

 中国人大富豪が米ハーバード大学と、中国人学生のために奨学金1500万ドル(約15億円)を提供する契約の締結をこのたび発表した。しかし、中国国内ではソーシャルメディア上で、なぜ中国の大学に寄付をしないのか、などといった類の批判コメントが殺到し炎上するという出来事になっている。

 不動産デベロッパー「SOHO中国」の張欣氏夫妻は資産3000億円以上の大富豪。自身が貧しい家庭の生まれながら、香港の工場で働いて学費を貯めて、英ケンブリッジ大学に入学し、米ゴールドマン・サックスで勤務し、後にSOHO中国を起業し現在にいたっている。やはり自身の経験が基になっているようで、お金さえあれば大学に入るまでの苦労はせずに、勉強していればよかったからだ。

 ハーバード大との基金の契約締結は、あくまで学費が十分に工面できない家庭の中国人を対象としてものなのだが、批判が中国人から起きるという思わぬ事態にとなってしまっている。


張欣氏のウエイボ
 張氏のウエイボには「なぜ、中国の大学に寄付をしないのか」「自分たちのルーツを忘れたのか」などという内容の批判が相次いだ。

 張氏の言い分だが「もしハーバード大があなたを受け入れるのならば、貧困は何の障壁にもならなくなります」と反論。そもそも「多くの大学とも協議していたが、最初に話が決まったのがハーバード大だったのです」と明かした。

 ハーバード大に行くことができない人のひがみなのか、愛国者の憂国なのか、批判の意図ははかりかねるものがあるが、寄付をどこにどういう目的でするかは本来は自由のはずなのだが。 

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