総務省が発表した「住宅・土地統計調査結果(速報)」(2013年10月1日時点)で、住宅の全国総数6063万戸で、そのうち820万戸が空き家であることがわかった。空家率が高い全国1位は山梨県で17.2%で前回から1.0ポイント上昇した。一方で、最も空家率が低かったのは宮城県で9.1%。東日本大震災の影響で他の被災県からの移動が多かったと見られる。
総務省によると、全国の平均の空家率は13.5%となり、前回調査の2008年と比べて0.4ポイント上昇し過去最高となった。空き家の件数は63万戸でこちらも過去最多件数だった。
空家率が高いところの上位十傑は和歌山県以外は、すべて前回から1ポイント以上増加。山梨県以外は西日本が占めており、四国4県ともランクインするなどしている。
◆空家率の高い都道府県(県、25年、20年)
1 山梨県 17.2% +1.0
2 愛媛県 16.9% +2.4
3 高知県 16.8% +1.1
4 徳島県 16.6% +1.7
5 香川県 16.6% +1.5
6 鹿児島県16.5% +1.7
7 和歌山県16.5% ±0.0
8 山口県 15.6% +1.0
9 岡山県 15.4% +1.2
10 広島県 15.3% +1.6
空家率が低い県は、皮肉にも東日本大震災で被災した宮城県で大幅に率が下がった。宮城県でも5.3万世帯が事情により転居を余儀なくされた。他の県からの流入だと見られる。東日本大震災の影響で転居したのは、福島4.0万世帯、岩手2.0万世帯、茨城0.8万世帯に上る。
また、東京、神奈川、埼玉も空家率は前回よりも上昇しており、この推移も今後は注視しておかなければならないだろう。愛知も1.0ポイント上昇した。
◆空家率の低い都道府県
1 宮城県 9.1% -4.1
2 沖縄県 9.8% ±0.0
3 山形県 10.1% -0.5
4 埼玉県 10.6% +0.3
5 神奈川県10.6% +0.6
6 東京都 10.9% +0.1
7 福島県 11.0% -1.4
8 滋賀県 11.6% ±0.0
9 千葉県 11.9% -0.1
10 愛知県 12.0% +1.0
空き家率が上昇する理由としては、築40年、50年が経って誰も住まなくなったような住宅でも、固定資産税の負担が増加することから、相続人がそのまま放置する場合も後を絶たない。
ちなみに、参考までに賃貸住宅の空室率は次のようになる。
◆賃貸用住宅の空室率ランキング
1 福井県 30.1%
2 山梨県 28.2%
3 長野県 27.7%
4 茨城県 27.5%
5 青森県 26.1%
6 岐阜県 25.6%
7 群馬県 25.0%
8 奈良県 24.7%
9 秋田県 24.5%
10 和歌山県24.5%
※賃貸住宅サイト「Home’s」より作成
こちらは、一人暮らし率、さらには供給数との兼ね合いでも決まるために一概に言うことはできない。