年収2億円の個人投資家・村田美夏さん(43)。いつしか人からは「ウルフ村田」と呼ばれるようになっていたが、実はもう一つの顔がある。すでに30社以上に投資を行っている「投資家」でもあり、そのお金の使い方には独特の人生哲学を持っている。
30社以上に投資
村田美夏さんが投資している会社は実は30社以上ある。それは、前回紹介したような株式投資という意味ではない。それも長期にわたるもので、「頑張っている若い会社には数百万円だけでも出しています。わたしよりも優秀な人には(お金を)出したいんですよ」と、資金を提供するのだとか。
それも、出資して株式を保有するという投資家のような形態ではなく、あくまでも、いい会社を育てたいという想いを持って旦那のような感覚で差し出すのだ。「20代のころからずっとですよ」と軽く言葉が出てくる。もちろん、有象無象が金目当てで来てもらっては困るため、村田さん自身の幅広い人脈の中で以前からよく知っているという間柄に限っている。
中小企業白書によると、毎年3%前後、件数にして1万社以上の企業が倒産している。2011年度版のデータによると、企業生存率はスタートから10年間で7割。20年で約半分に減少する。その中には存続して残っていれば、社会的利益に資する可能性を持つ企業もあったかもしれない。それが資金繰りで前途を失うのは、あまりにももったいない。
こうした「投資」活動は、村田さんの銀行員時代の苦い経験に由来している。