取り締まり強化で超富裕層自粛、マカオのカジノ2カ月連続減

 マカオのカジノの売上高がマカオ政府から発表され、6、7月と2期連続で前期比マイナスとなったことが明らかになった。米アトランティックシティのレベル・カジノホテル
が閉鎖になるなど成長産業である業界に暗い影が漂いつつあるが、マカオの場合は、米WSJの報道では、上顧客である超富裕層の消費が17.2%減少したことが大きな原因であるとしている。


 カジノの売上は一般的にはその3分の2以上が、カジノからVIP待遇を受け、ジャンケットなどが間に介在する超富裕層顧客(ハイローラーとも呼ばれる)が占めていることは知られている。マカオの場合でも、中国本土のハイローラーからもたらされる。

 しかし、最近の中国政府による汚職の取り締まり強化でハイローラーたちが減少したというのだ。ローエンドのマス市場の顧客が増えているのは事実でもあるが、その分を吸収するまでにはいたっていない。

 マカオ政府が発表した2014年の各月次売上の推移は次のとおり(単位:香港ドル)。

◆2014年月次売上高(対前年比)

1月 +7.0% 287億3900万香港ドル
2月 +40.3% 380億香港ドル
3月 +13.1% 354億5300万香港ドル
4月 +10.6% 313億1800万香港ドル
5月 +9.3% 323億5400万香港ドル
6月 -3.7% 272億1500万香港ドル
7月 -3.6% 294億1500万香港ドル

 前半続いてきた2ケタの伸びはついに止まり、2カ月連続のマイナスを経験することになった。

 以前には、失脚した中国共産党幹部の薄熙来(ボー・キライ)氏がマネーロンダリングを行ったいたとの噂も出るなど、資金洗浄を目的と思われるVIPの来客もあった。また、今年の春ごろから、習近平国家主席による汚職取締が強化されていることもあり、ハイローラーたちが活動を自粛しているとも見られる。

 カジノは、競馬、ブランドなどの高額消費などとも関連性が高いために、消費全体への波及もありうる。

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