24歳の日本人富裕層男性が、タイで代理母出産を通じて多数の乳幼児を出産させ現地の警察が捜査をしている事件で、男性には1000人出産計画という壮大な野望があったことが浮上している。後継者に「養子」を取る富裕層もいるが、本当の意味でのファミリー企業を目指す意図なのか、改めて「家族」を考えさせられる騒動となっている。
代理母で養子の欠点をクリアー?
男性はすでに名前、顔写真はタイのメディアによって公開されている。日本メディアでは事件性が薄いと思われる点と、事件化はしていないために匿名報道が続いているが、前代未聞の騒ぎだけに、関係施設には報道陣が待ち構えるなどの関心事にはなっている。
というのも男性は父親の企業の株式を資産管理会社名義で110万株保有。時価にすれば70億円以上で、年間配当だけで約1億7000万円にも上るからだ。代理人は自身の資産の相続を希望していることなどを伝えたとおり、人身売買にしては養育コストを1カ月あたり20万バーツ(約60万円)もかけるなど大切にしており、一族として迎え入れる計画だということはわかる。
そもそも、レベルは違うものの、実は養子を取ることには抵抗のない富裕層もいる。
関西の資産が数十億円は下らないという、ある富裕層には男女2人の子供がおり、当初から長男の後継者としての能力に疑問を持っていたようで「長女に良い婿が来たら、あと取りにしようと言っていました。最悪、養子を取ることも考えているとも言っていました」(知人の富裕層男性)という。そんな会話が交わされたそうだが、一族を守るためには、養子も選択肢の一つと考えられている。
子供の教育には万が一にも失敗はある。また、後継者としてではなく、他の方面に才能があるのであれば、そちらの道に進むことも本人のためだろう。だが、息子がいない方が養子は気兼ねなく取りやすいことも事実だ。養子を取って実際の相続で揉めているケースもあるが、養子のメリットは「即戦力」となる優れた人物を自分の一族に迎え入れられるという点だ。しかしながら、唯一の欠点は血がつながっていないところ。
24歳の日本人男性は、その点を容易にクリアーしていたのだ。海外で合法的な代理母出産という手段を用いることによって。