2001年に全話を通しての平均視聴率が30%を超えた、フジテレビ系連ドラ「HERO」の続編が、平均20%超えの回も珍しくないという現象となっている。なぜ数字が良いのか、なぜおもしろいのか、という点はここでは触れないが、主人公・久利生公平(木村拓哉さん)の給与はいくらか、検察官の恋愛とはどんなものか、少し見てみる。
木村さんが演じる久利生公平検事は最終学歴は中学卒。そこから大検合格、司法試験合格、検事任官だという。中学卒の検察官自体がひじょうにまれな存在である。ホワイトカラーの国家公務員ながら、シャツとジーンズという服装も異例だ。その久利生検事の赴任先は次のとおり。
青森地検 ⇒ 東京地検城西支部 ⇒ 那覇地検石垣支部 ⇒ 札幌地検 ⇒ 山口地検虹ケ浦支部 ⇒ 東京地検城西支部
現在の城西支部は2度目の赴任となる。だいたいの赴任期間は一般に2~3年であることから、15年前後の任官キャリアを持つ中堅どころということになる。年齢は40歳前後か。等級でいえば10年で8号あたりになるため、検事7号、6号あたりと見られ、7号であるならば月給は58万5000になる。年収では700万円少々という計算になる。検察官の給与は法律で決まっており、次のとおりとなっている。
検事総長 149万5000円
次長検事 122万2000円
東京高検検事長 132万8000円
その他の高検検事長 122万2000円
検事1号 119万8000円
2号 105万5000円
3号 98万4000円
4号 83万4000円
5号 72万円
6号 84万6000円
7号 58万5000円
8号 52万6000円
9号 42万6900円
10号 39万2500円
11号 36万8900円
12号 34万5100円
13号 32万2200円
14号 30万6400円
15号 28万8200円
16号 27万7600円
17号 25万3800円
18号 24万4800円
19号 23万4300円
20号 22万7000円
検察官は、休日出勤手当、超過勤務手当などは支給されない。ただ、国家公務員なので、寒冷地手当などはある。また、官舎などに住むことができる。地方検察庁の検事正などは、警備上の問題もあり、高い塀に囲まれた監視カメラ付きの専用の広い一戸建てなどが充てられる。
検察官は激務であり、早朝から深夜まで仕事。休日出勤ということもあるが、刑事部の検察官は、警察から送検されてきた被疑者を期限までに起訴するために、延々と取り調べを行っている。久利生検事のように現場で捜査を行うということはない。時々、必要な場合には警察署の課長あたりに案内されて現場を見ることもあるが、そうそうない。それで、他の仕事は相当滞っているはずだ。
また、地方の検察庁では、東京地検特捜部などの捜査で、検察官が応援に呼ばれることもあるらしく、地検の次席検事らも頭を悩ませてもいる。久利生検事は中卒だけに将来的に検察内でどこまで出世できるのか。そこも楽しみな点である。