米移民局が、富裕層向けの投資移民プログラムのEB5の申請が上限に達したために申請をいったん停止する方針を決めたとの発表を行った。2014年度以降(今年10月~)は中国人の申請を制限する方針で、カナダでもすでに制限が行われるなど、中国富裕層らの間には衝撃が走っている。
その制度は1990年から施行され、2013年度分(12年10~13年9月)でついに上限1万件に達してしまったと、当局からの発表があったのだ。それもそのはずで中国人が80%以上を占めるまでになり、中国人の申請を止めるしかなかったからだ。もちろん手続きは、移民局を通過した後に国務省に回る手続きが待っているが、すでに門前払いだ。
特に2008年度からは申請件数が大幅に増加している。
◆EB5の申請件数(中国本土のみ)
2006年 802
2007年 793
2008年 1442
2009年 4218
2010年 1885
2011年 3463
2012年 7641
2013年 8567
なぜ、これほどまでに申請件数が増加しているかだが、端的には国が嫌だからで、理由は、教育、環境汚染、食品の安全が上位を占めており、中学校は海外の有名校に通わせたいと考えている。
ハルンレポートの調査によると、中国人富裕層の64%が海外移住を検討している。また、移住していなくても、将来の移住込みで海外不動産をすでに購入している人も多い。その購入先としては、米国が最も人気がある。
その傾向としては、LA、サンフランシスコ、シアトルなどの西海岸の大都市、他はNY、シカゴなどいずれも都市部で購入しており、将来的に値上がり益を見込んで購入しているのだ。
富裕層がこんなに自国を嫌う国は本当に珍しい。