プジョーの次はアストンマーチン 高額報酬でも逃げられる日産自動車

 英高級車アストンマーチンは、日産自動車の前副社長だったアンディ・パーマー氏を最高経営責任者(CEO)に迎えたと発表した。ナンバー2だったカルロス・タバレス氏をプジョーに、高級車部門トップのヨハン・ダ・ネイシン氏をGMに取られ「銀河系軍団」は散っている。報酬約10億円を受け取るトップ、カルロス・ゴーン氏は、国際水準の報酬で人材確保を公言するものの、なかなか策はうまくいっていないようだ。

 日産自動車から次々と幹部たちが離脱して、同業他社のトップ、もしくは要職についている。

アンディ・パーマー副社長 ⇒ アストンマーチンCEO
カルロス・タバレスCOO ⇒ プジョーシトロエンCEO
ヨハン・ダ・ネイシン   ⇒ GM
(インフィニティ責任者)   (キャデラック責任者)

 約10億円を受け取るカルロス・ゴーンCEOの報酬が、他の役員と比較してもずば抜けていることは明らかだが、日産を去る理由は報酬が理由とは言えそうにない。下は13年度の報酬1億円を超えた役員。

◆2013年度 
カルロス・ゴーン 9億9500万円
西川廣人     1億3500万円
コリン・ドッジ  1億6500万円
山下光彦     1億900万円
今津英敏     1億900万円
※敬称略


アストンマーチン
 カルロス・タバレス氏であるが在籍していた2010年度の報酬が2億300万円。同時期のカルロス・ゴーン氏は9億8200万円だった。とどまる意思もなかったようだが、のちに更迭されることになる。

 しかし、プジョーに移籍してのタバレス氏の報酬には驚く。昨年度の報酬は130万ユーロ(約1億8000万円)で、実は日産時代よりも下がっているのだ。パーマー氏、ネイシン氏については報酬額が公表されていないためにわからないものの、おそらく日産時代よりも報酬額は下がる可能性もある。

 ゴーン氏は自らの報酬を人材獲得のための国際水準にしたと公言するが、独裁体制に対する批判は大きくなるなど、その策はあまり実を結んでいないようにも見える。

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