株主への還元政策として配当と並ぶ存在に自社株買いがある。企業価値よりも株価が安いとされるときに発表するだけでも、株価には幾分の影響があるほどだが、実際に自社株会が上手な企業はどこなのか。
下の表は、週刊ダイヤモンド9月13日号がまとめているもので、トヨタ自動車は自社株買いの含み益が5429億円にも上っている。他にはファナック、JTなど大型株が続く。
社名 自己株含み益 自己株原価⇒8/16終値
1 トヨタ自動車 5429億円 4039円⇒5990円
2 ファナック 4680億円 7124円⇒1万7800円
3 JT 3156億円 1888円⇒3618円
4 KDDI 2139億円 2611円⇒6062円
5 日産自動車 1843億円 454円⇒1014円
具体的な使い道としては、金庫株か消却するかのどちらかが一般的だが、実際には
消却している場合が多いようだ。海外機関投資家から指標として重視されるROEが改善されるなどの利点もある。
自社株買いでは個人投資家にとって、広島の中堅スーパーチェーン、イズミがよく知られている。2011年7月から13年10月までに7回も行っており、今後も期待を持たせている。
もちろん、自社株買いにも注意が必要で、あの著名投資家のウォーレン・バフェット氏でさえIBMの投資で自社株買いを過剰に意識したことを過去に反省しているのだ。投資家向けの年次書簡には、自社株買いも大事だがIBMの将来はやはり業績次第だ、と述べている。当たり前だが、ファンダメンタルを忘れてはならない。