過去20年間で、米国の平均的な投資家はほとんどの投資対象に比べてリターンが低いことが、リチャード・バーンスタイン・アドバイザーズのレポートで判明した。一般的な個人投資家の弱さが改めて浮き彫りとなった形だ。さらに衝撃を与えたのが、日本は米国の平均的投資家よりも悪く最低のリターンとなったことだ。
このレポートでの対象期間は1993年12月~2013年12月。好リターンになった上位3つがエネルギー、ヘルスケア、ITで、ともに10%以上となっている。それに対して、米国の平均的な投資家はわずか2.5%にすぎず、インフレの2.3%をようやく上回っている程度だ。要は、貯金しているだけで何もしないのとほとんど変わらないのだ。あるいは労力を使わない分、そちらの方がマシかもしれない。
20年の投資先別リターン
投資家が陥りやすい失敗の一つには、高値掴み、底値売りがある。その心理状態がブラックロックのレポートで表現されているが、上昇局面と下落局面のそれぞれの心理の変化は次のようになっている。
上昇局面:希望 ⇒ 勇気 ⇒ 前向き ⇒ 喜び ⇒ スリル ⇒ 幸福感
下落局面:驚き ⇒ 神経質 ⇒ 心配 ⇒ パニック ⇒ 挫折
この逆に挫折で買い、幸福感で売るということが徹底できれば優れたリターンをあげることができる。著名投資家ウォーレン・バフェット氏のような投資行動だが、これはカリフォルニア工科大学とバージニア工科大学の共同研究でも明らかになっており、賢明な投資家はバブル崩壊の前に売り抜ける行動を取っていることが多かった。
投資とはメンタルの要素が大きく、いかに他人と違う道を行くことができるかどうかでもあることを各種のレポートが占めている。