東京・港区の水害危険地域と地価への影響、南青山、南麻布、西麻布…

南青山、南麻布、西麻布、赤坂、六本木…

 「ハザードマップ」とはその名の通りで、いわゆる自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図に表したもの。土砂災害のハザードマップ「急傾斜地危険箇所地図」によると、自然斜面では、白金台3、白金2、4、南麻布1、元麻布2などがある。人口斜面では、赤坂、六本木、元麻布、西麻布などに、その該当箇所が見られる。

 そもそも港区には傾斜地が多いため前ページで示した3条件(がけ地の傾斜度が30度以上、がけ地の高さが5メートル以上、被害想定地域内に人家等が存在する)に当てはまる場所が多く出てくるのも当然か。


港区土砂災害危険箇所図

 「港区浸水ハザードマップ」で浸水する可能性が指摘されているエリアには南青山、南麻布、西麻布、麻布十番、白金台、溜池山王など高級住宅街が並ぶ。これらの地区は浸水深が2.0メートル(下図青色)で、一戸建ての1階部分が浸水するレベルだ。

港区浸水ハザードマップ

 実際に都心部の浸水を想像はしにくいものの、目黒区の目黒川、杉並区の善福寺川や、港区でも南麻布5丁目、同2丁目の南側を流れる古川も氾濫は起きている上に、さらに短時間の集中豪雨は侮ることはできない。

 気象庁が発表する「気候変動監視レポート」(2013年)によると、1日の降水量100ミリ以上を記録する日は年々増加していることがわかる。この図では示していないが200ミリ以上を記録する日も年々増加、その一方で10ミリ以下の日は減少している。


気候変動監視レポートより

 港区など東京都心部は地震だけではなく、これだけ自然災害に囲まれた環境にあるが、では不動産価値にどれほどの影響を与えるのだろうか。

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