今年の株式市場の新規株式公開(IPO)で最も注目されていたリクルートホールディングスの上場が東京証券取引所から承認され、上場日が10月16日に決定した。公開された有価証券報告書によると、大株主に創業者の故・江副浩正氏、江副記念財団の名前が登場。相続申告期限を経過しても何らかの事情で名義書き換えがなされていないことも判明した。
リクルートホールディングスの上場日が10月16日に決定した。想定価格は公募増資の価格を基にして1株=2800円で、公開価格は10月6日に決定され、時価総額は1兆6000億円レベルになる模様だ。規模としては今年最大。大株主の持ち株数と比率は次のとおり(1000株以下は省略)。
リクルートグループ社員持株会 6388万株 11.19%
リクルートHD 4057万株 7.11%
大日本印刷 3770万株 6.61%
凸版印刷 3770万株 6.61%
電通 3000万株 5.26%
三井物産 3000万株 5.26%
農林中央金庫 2500万株 4.38%
あおぞら銀行 2405万株 4.21%
NTTデータ 2050万株 3.59%
第一生命保険 1200万株 2.10%
みずほ銀行 1200万株 2.10%
三井住友銀行 1200万株 2.10%
三菱東京UFJ銀行 1200万株 2.10%
TBSテレビ 1111万株 1.95%
日本テレビ放送網 1111万株 1.95%
TIS 1000万株 1.75%
図書印刷 930万株 1.63%
王子製紙 900万株 1.58%
野村総合研究所 900万株 1.58%
位田尚隆 701万株 1.23%
エイピーアールシーティファンド634万株 1.11%
博報堂DYHD 600万株 1.05%
AP RCT FUND 589万株 1.05%
江副浩正 506万株 0.89%
昨年2月に亡くなった江副氏は現在でも個人株主としては2位で、時価総額は約142億円になる。また、江副氏が生前に芸術支援活動を行ってきた公益財団法人江副記念財団も143万株(0.25%)を保有しているが、財団分の時価総額は約40億円となる。
申告期限はすでに過ぎているものの、江副氏個人の株式については権利者が何人いるかはわからないが、協議ができていない場合は原則は人数分の共有ということになる。
さらに株式がペーパーレス化する以前に、江副育英会が保有するリクルート株(株券番号1B1155号、1B1157号、1B1158号)3万株が外部に流れたこともあった。江副氏の家族がワールド創業者の畑崎広敏氏の資産管理会社に平成16年に売却したのがきっかけだが、クリスタルグループ買収に絡む脱税事件に名前も出てきた投資家にわたり、名義書き換えを求められるということもあった。
有価証券報告書内の株式の移動にも記載はなかった。株主欄に、その他538人(575万株 10.09%)という記載があるものの、これだけでは判明しない。