アイカーン、アップルにツイッターで宣戦布告

 米著名投資家カール・アイカーン氏が9日、アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)に対して、ツイッター上で「もうすぐ書簡を送る」と通知した。SNSを使用したアクティビスト活動は時代の流れを感じさせる。


 アイアーン氏は昨年8月にツイッターで、クック氏に対してアップル株の保有を通知したが、今回もツイートでプレッシャーをかけた。

 今回は書簡を送るという内容とともに、「1年以上前に、多きなポジションを取ったことをツイートした。それは、アップル株は著しくアンダーバリューだったからだ。そこから50.6%上昇しているが」とも付け加えている。

 昨年8月の株式保有後に2人は食事をともにして、話し合いの場を持った。クック氏はその際は「友好的に話し合いができた」と述べている。アイカーン氏の主張としては、巨額の内部留保を使った株主還元策を進めるというものだった。

 手元資金は1500億ドル以上あるが、米国内の資金はそのうちの10%強しかない。
アクティビストの標的になる典型的な企業でもあった。

 だが、今年1月に入ってからアイカーン氏は再び買い増しを行ったことをツイートで明らかにしていた。保有株数の推移は次のとおり。

2014年第2四半期
約5200万株

2014年第1四半期
約750万株 

2013年第1四半期
約480万株

 アップルの株価は2012年9月に大台の100ドル超え、その後13年に入ってから低迷し50ドル台に落ち込んだが、14年8月に再び100ドル超えとなった。アイカーン氏の保有株の時価は今年の第2四半期ベースで約48億ドルとなっている。


 アップルは今年4月、12~15年までに株主還元策を13兆円規模まで拡大することを発表している。さしあたって、210億ドルの自社株買いを行うことになっていた。また、ビーツオーディオをM&Aするなど、積極的に動き始めた。

 書簡の内容はどのようなものになるのか、ツイートを受けてのアップルの対応ともに注目される。

 アイカーン氏の運用会社アイカーンエンタープライズのここ数年の年率リターンは次のとおり。 

2005年 17.9%
2006年 37.8%
2007年 12.3%
2008年 -35.6%
2009年 33.3%
2010年 15.2%
2011年 34.5%
2012年 20.2%
2013年 30.8%
2014年 10.2%(第2四半期まで)

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