南山学園がデリバティブ巨額損失でUBSと野村を提訴

 南山大学や中高などの運営母体である学校法人南山学園(名古屋市)は16日、デリバティブ取引などによる資産運用で約230億円の損失を出したとして、UBS証券、野村証券の2社を相手取って、約88億円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したと発表した。すでに駒澤大学は同様の訴えを退けられており、結果が注目される。

 証券会社が販売したデリバティブで慶応義塾大をはじめ有名私立大学は軒並み巨額の損失を負った。南山学園は2006年に2社と契約を締結し、UBS証券に67億円、野村証券に21億円を請求。リスクの説明が不十分だったなどと主張している。今後も追加で取引のあった証券会社に損害賠償請求を提起することも検討中だという。

 南山学園の財産目録によると、昨年2013年度の運用財産は約413億円。資産運用収入は約7億円で帰属収入全体の中に占める割合は3.4%となっている。運用財産の中で割合が最も多いのは、第3号基本金(元本を継続的に保持する目的)で、278億円を占めている。

 運用可能な資産額は2006年度の約498億円から、12年度には422億円まで減少している。現在では年間5億円前後の運用収入を出している。

 駒澤大学の訴えは東京地裁の一審ですでに退けられているが、駒大は現在でも運用収入はマイナスとなっている。

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