過去10年で最もリターンが高いのはPE(米退職年金基金)

 米退職年金基金の最近10年間のアセットクラスで、最もリターンが高かったのはプライベートエクイティ(PE)であることがプライベートエクイティ・グロース・キャピタルカウンシルの調査結果で明らかになった。またPE投資で最も利益を上げた年金基金のランキングも同時に発表した。

 そもそもPEへの投資総額では、年金基金が占める割合は米国は42%、対して日本は5%となっている(財団法人年金シニアプラン総合研究機構の平成23年度研究報告書より)。PE投資の大きな割合を占めるプレーヤーは年金基金である。

 ここ10年のリターンで見れば、PEが12.3%で最も多い。公開株式7.9%、不動産7.4%、フィクスドインカム5.6%となった。PE投資の総額が最も多いのが、カリフォルニア州職員退職年金基金で323億ドルだが、40億ドル分のヘッジファンド資金を引き揚げることを発表しているが、PEの好調さも背景にはあるようだ。


 PE投資の主な種類としては、ベンチャーキャピタル、バイアウト、ディストレス、セカンダリーなどがある。PEファンドはファンドごとのパフォーマンスにばらつきがあるが、一般に景気後退期に組成されたものは、相対的にパフォーマンスが良くなる傾向にある。調査では、PEへの資産配分は5~10%のところが59%で最も多く、投資配分はそれほど大きいわけではない。

 昨年、PE投資で最も高いリターンをあげた年金基金のランキングは次のとおり。

1 テキサス州教員年金組合        18.2%
2 マサチューセッツ州年金基金      17.8%
3 ミネソタ州投資理事会         16.2%
4 ヒューストン消防年金基金       15.8%
5 サンフランシスコ職員退職年金基金   15.6%
6 アイオワ州職員退職年金基金      15.5%
7 ユタ州退職年金基金          15.1%
8 ニューヨーク州職員退職年金基金    14.9%
9 カリフォルニア州教職員年金基金    14.8%
10 オレゴン州職員年金基金        14.3%
10 ペンシルベニア州公立学校教職員年金基金14.3%

 テキサス州教員年金組合は全米6位の公的年金基金。120万人以上の組合員を持つ800億ドル以上の信託基金を運用しており、国内外株式、PEを合わせて全体の6割を占める積極的な運用姿勢でも知られる。

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