富裕層と中産階級の間の格差に不満を募らせたことがきっかけに発生した香港のデモ。アジアナンバー1の大富豪である李嘉誠氏が鎮静を呼び掛けたが、デモ隊は聞く耳を持たない。では、その格差だが、各国によってどれだけ富の不均衡が起きているのかを見ていくことにするが、それによって、日本はひじょうに格差が少ない国であるということがわかる。
クレディスイスのワールドウエルスレポート2014によると、上位10%の持つ富の割合を各国別に示している。そのデータによると、日本はベルギーの47.5%に次ぐ低さで、48.5%となっている。
格差が大きい上位10カ国を挙げると次のとおりとなる。
ロシア 84.8%
トルコ、香港 77.7%
インドネシア 77.5%
フィリピン 76%
タイ 75%
米国 74.6%
インド 74%
エジプト 73.3%
ブラジル 73.3%
英国、イタリア、シンガポール、オーストラリア、カナダ、オランダ、ニュージーランド、ギリシャ、アイルランドなどは比較的に格差は大きくはない。
また、割合の推移を見ていくと、日本は2000年51.0%、2007年49.4%、2014年48.5%とその割合が小さくなっていることがわかる。
国税庁のデータによると、日本国内の給与所得者全体の納税額8兆2907億円のうち、年収1000万円以上の人の納税額が48.9%を占めている。ちなみに、年収1000万円以上の人口は全体の3.9%となる。以下は年収階層別の納税割合を示したものだ。
・1000万~1500万円以下 1兆4680億円 17.8%
・1500万~2000万円以下 7900億円 9.5%
・2000万~2500万円以下 3930億円 4.8%
・2500万円超 1兆3927億円 16.8%
また、年収800万円以上と対象者を広げれば約6割の納税割合を占める。平成27年分以降は、新たに「4000万円超」という区分がもうけられ、税率は45%になる。加えて、住民税10%を合わせて55%になる。