バブル崩壊の兆候か? NY高級不動産の平均単価18%下落

 富裕層向けの高級不動産物件が、第3四半期の平均販売額は207万ドルで、対前期比17.9%減となったことが調査会社エリマンの調査結果でわかった。第2四半期は252万ドルだった。2011年ごろからはほぼ右肩上がりで高級不動産の価格は上がってきていただけに、この統計は世界の不動産市場をリードする存在のNYの異変を示唆するものとなるかもしれない。

 先日、富裕層に最も人気の不動産であるロンドン中心街の高級住宅地の第3四半期の取引と取引額が、20%以上も減少したことが直近の調査結果で明らかになったばかり。ナイツブリッジ、ベルグラビアなどの高級住宅街で顕著だった。


 ただ、NYの場合は取引数は減少しておらず単価の減少にとどまったが、ロンドンとは違い、高層タワーマンションが林立しており、今後の竣工予定のものもあるため、需要と供給が一気に崩れる可能性がある。


432パークタワーの最高層階からの眺望(イメージ)
 NYには、ONE57など世界を代表する高級コンドミニアムが立ち並ぶが、実際にはオフショアに籍を置くLLCなどの名義も目立つという。海外からは中国人富裕層の買いも多いが、これで一巡した感もある。

 先日、著名ヘッジファンド運用会社パーシング・スクエア・キャピタルのビル・アックマン氏が、NYタイムズとの取材をONE57で行っており、2012年に9000万ドル(75~76階部分のペントハウスで1.3万平方フィート)を購入したことを語っている。ちなみに、普段は住んでいないという。

 さらに、来年2015年には、432パークアベニューが竣工する。こちらは、デベロッパーによると、世界最高層のタワーマンションになることが決定的となっており、最高層の150階は、エンパイヤーステートビルよりも高いという。ペントハウスで9500万ドルのレベルになる予定だという。今後の需給を左右する物件でもあり、NYの高級不動産市場の行方が注目される。 

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