ポルシェが中国人富裕層のクレームに「環境が悪いから」

 高級ブランドは顧客からのクレーム対応もさすがにスマートではあるが、このたび中国でポルシェのクレーム対応に対して「中国の環境が悪いから」と返答していたことが、中国メディアの報道で判明した。しかし、本社なのか、ディーラーなのか出所は不明ながら、公式に否定しているともいう。


 中国市場は今やポルシェにとっても最重要な市場の一つになっている。2014年1~10月の売上高を発表し、中国では前年同期比18.5%増の3万6021台となり、世界最大の市場である米国の3万9033台についに追いつくまでになった。全世界では前年同期比14%増の15万1462台。

 今年に入ってから、911カレラ、ボクスター、ケイマンが、フロントのボンネットが不意に開く恐れがあるとの理由でリコールとなったが、そのくらいで今後の販売台数が減少することは考えにくい。

 ただ、中国では、フロントのボンネットの意図しない開閉とは別種、さらに深刻な問題が起きていた。それは、エンジン、ギアボックスなどの問題で、道路で火災事故を起こした例もあるという。

 中国では特に浙江、北京、広西、四川、上海、湖南などのオーナーからクレームが殺到しているとのこと。このクレームに対しての答えが、最初に説明した「中国の環境が悪いから」というものだったという。

 ガソリンやオイルなど油の品質自体が悪いのか、あるいは、汚染されている空気が悪いのか、との説もある。

 ただ、中国人富裕層の高級車ブランドに対してのサービスの質に納得していないという問題も一方では存在する。例えば、過去にはランボルギーニの中国人オーナーが修理に出したマシンが、治らずに返ってきたとして、ハンマーで破壊するショーを行ったこともあった。また、マセラティでもサービスに腹を立てたオーナーが破壊し、メディアにその模様を公開した。

 ブランド、ディーラー、富裕層オーナーとの間の緊張関係は当分は解消されそうにないだろう。

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