高級ブランドは顧客からのクレーム対応もさすがにスマートではあるが、このたび中国でポルシェのクレーム対応に対して「中国の環境が悪いから」と返答していたことが、中国メディアの報道で判明した。しかし、本社なのか、ディーラーなのか出所は不明ながら、公式に否定しているともいう。
今年に入ってから、911カレラ、ボクスター、ケイマンが、フロントのボンネットが不意に開く恐れがあるとの理由でリコールとなったが、そのくらいで今後の販売台数が減少することは考えにくい。
ただ、中国では、フロントのボンネットの意図しない開閉とは別種、さらに深刻な問題が起きていた。それは、エンジン、ギアボックスなどの問題で、道路で火災事故を起こした例もあるという。
中国では特に浙江、北京、広西、四川、上海、湖南などのオーナーからクレームが殺到しているとのこと。このクレームに対しての答えが、最初に説明した「中国の環境が悪いから」というものだったという。
ガソリンやオイルなど油の品質自体が悪いのか、あるいは、汚染されている空気が悪いのか、との説もある。
ただ、中国人富裕層の高級車ブランドに対してのサービスの質に納得していないという問題も一方では存在する。例えば、過去にはランボルギーニの中国人オーナーが修理に出したマシンが、治らずに返ってきたとして、ハンマーで破壊するショーを行ったこともあった。また、マセラティでもサービスに腹を立てたオーナーが破壊し、メディアにその模様を公開した。
ブランド、ディーラー、富裕層オーナーとの間の緊張関係は当分は解消されそうにないだろう。