アラガン買収でビル・アックマンが約30億ドルの利益

 米医薬品メーカーのアクタビスが17日、アラガンを約660億ドルで買収することで両社が合意したと発表した。1株あたりでは219ドルとなる。これで、米著名ヘッジファンド運用会社パーシング・スクエア・キャピタルが保有する同株は63億ドル以上となり、購入コストなどを差し引いても約305億ドルの巨額の利益をあげていることになる。

 アラガンの買収をめぐっては、パーシングスクエア・キャピタル・マネジメントや、ポールソン&カンパニーなども絡み合っていた。パーシングのビル・アックマン氏は当初、バリアント・ファーマシューティカルズによる敵対的買収案を共同で行っていた。

 これはインサイダー取引に抵触しないための共同提案だった。しかしアラガンはこの提案に強硬に反対し、両者をインサイダー取引だとして民事訴訟の提起を警告するなどしていた。

 パーシングはアラガンの株式を今年に入ってから買い進め、9月末時点では2887万8538株を保有しており、保有比率は約10%にも上る。9月時点の時価は51億4586万ドル。買収条件に照らし合わせれば63億2439万ドルになる。この取引だけで30億ドル近い利益をあげたことになる。

 パーシングは、動物用医薬品メーカーのゾエティス株式の取得も公表。553万株(2億ドル)を保有していることが判明し、興味はこちらに移っている様子で次はこちらの方で新たな展開がありそう。

 一方のポールソン氏はアラガンを537万株、バリアントを520万株それぞれ保有。バリアント&アックマン連合の買収提案を支持していた形だ。

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