カナダの投資移民当局が中国人富裕層の申請を停止していた投資家ビザで、新たなプログラムで年間50人程度の受け入れを再開することを検討していることが3日わかった。
カナダの投資家ビザは今年2月にカナダ政府が「投資移民プログラム」と「企業家移民プログラム」を廃止すると決定し、多くの移民申請を出していた中国人富豪の間で動揺が広がった。経済発展を目的に1986年に制度がスタートし、80万カナダドルを現地政府に無利子で5年間融資した場合、永住権を獲得できるというものだ。実際には、特に中国からの申請が相次ぎ、その数は全体の半数以上に上っていた。
それだけに、中国人富裕層にとっての動揺は大きく、香港の投資移民申請者1335人が、カナダ政府を相手取って制度廃止の撤回を求めて損害賠償請求訴訟をカナダの裁判所に起こしていた。
各国とも投資ビザについては積極的な姿勢を崩しておらず、本題の本質は、中国人富裕層の申請数があまりにも多すぎて偏りがあることで、枠を絞ることと投資資金の枠を上げることで、対応を行うということになりそうだ。ただ、いずれにせよ、中国人富裕層の動向は無視できないところまで来ているということでもある。
中国人富裕層の投資ビザの問題では、申請書類の偽造、あるいは実際にお居住権を確保しておくだけで実際にはカナダに住まないというケースも多々あった。
中国人富裕層の海外移住の理由については、ハルンレポートの調査結果によると、次の3つが理由になっている。
・教育の機会 21%
・環境汚染 20%
・食品の安全 19%
ほとんどが生活する上で根本的な要素でもあり、今後も減少することはないと見られる。
米国は「EB5」はすでに中国人による申請を停止を決定している。