LIXIL創業家が相続100億円以上の申告漏れ

 建材設備大手のLIXILグループ(旧住生活グループ)の創業者で2011年に亡くなった潮田健次郎(うしおだ・けんじろう)氏の相続人である長女が東京国税局の税務調査を受けて、100億円以上の申告漏れを指摘されていたことがわかった。過少申告加算税、追徴額を合わせて60億円以上になると見られる。

 各紙の報道によると、潮田氏が保有していた住生活Gの株式を売却し、その資産を資産管理会社に移行。死後に長女が資産管理会社の株(未上場)を相続した。その際に、株式の価値を実際より低く申告していたという。流れとしては以下のようになる。

 潮田氏(住生活G株)売却 ⇒ 資産管理会社Aに ⇒ 長女(A社株相続)

 潮田氏が亡くなる以前の有価証券報告書によると、2008年時点では1347万5000株 (4.3%保有)を保有、また、財団法人トステム建材産業振興財団としても500万株( 1.59%)を保有していた。潮田氏の株式は当時の時価としては、200億円以上にのぼった。

 非上場株の評価方法については国税不服審判所や本訴に持ち込まれることもある。評価方法は国税庁通達によれば、純資産方式、収益方式、比准方式などがあるが、時価評価ができないだけ国税庁との解釈が異なる場合も多い。

 報道によれば、今回は事業領域が同じの類似企業の株式の時価を参考にしたといい、比准方式にあたる。ただ、この例も過去には国税不服審判所で争った例もあるが、退けられている。

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