「保守的すぎても儲かる」米富裕層の投資動向

 アップル、エクソンモービル、フィデリティ~。富裕層の株式投資動向はひじょうに保守的であるということが、米CNBCとスペクトラムグループが行った調査結果によって明らかになった。

 この調査は、投資可能資産100万ドル以上の富裕層500人を対象に調査を行ったものだ。

 まず言えることは、大型株とミューチュアルファンドが大きなウェートを占めるということが判明した(下図参照)。アップル、エクソンモービル、P&G、AT&T、GEなどのNYダウ採用銘柄のような大型株、さらには、S&P500の指数連動ものや、ヴァンガード、フィデリティなどのミューチュアルファンドを保有しているという。


調査対象の富裕層が持つ銘柄
 株式投資においては、リスクを取っていないということを如実に表しているわけだが、これは、今後の市場をどのように見通しているか、ということが影響しているのではないか。

 S&P500の今後の予測を聞いた調査では、「上がる」と答えた富裕層は4月時点は42%だったのに対して、11月の調査では49%と増加している。強気の見通しでいるようだが、では、どのくらい上がると考えているのか。それは次のとおり。

5~10%上昇 48%
10~15%上昇 17%
変わらず   16%
5~10%下落 9%

 少なくとも下がると考えている人はわずか9%で、約半数が5~10%は上昇すると考えていることがわかる。では、どのセクターの銘柄が上昇すると考えているは、次のとおりとなる。

テクノロジー 19%
金融     14%
エネルギー  13%
ヘルスケア  11%

 アップル、GE,AT&T、エクソンモービルなどはあてはまる。リスクをそれほど取らずとも、ある程度のリターンを取れる市場環境であると考えれば、大型株や指数連動、ミューチュアルファンドで十分だろう。ちなみに、米国経済へのリスク要因を何と考えているというか、米国株はわずか2%しかなかった。

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