建築家の故・黒川紀章氏が設立した黒川紀章建築都市設計事務所(資本金1億円)が15日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したことが東京商工リサーチの調査で明らかになった。負債総額は金融債務10億円を含めて約12億円に上るという。
同事務所は黒川氏が昭和37年に開設し、世界建築ビエンナーレ・グランプリ・ゴールドメダル受賞など多数の世界的な賞を受賞している。
東京商工リサーチによると、長引く不況による受注案件数の減少、設計料の回収不能が重なり財務状況が悪化。資金繰りに支障を来たし、11月21日、債権回収会社(サービサー)から譲受債権訴訟を起こされていた。今後は、日本工営から資金援助を受ける予定だという。
黒川氏は生前は、また、高額納税者番付でもたびたび名前が載るほどでもあった。一般的に公共事業での政府通達では建築家への報酬は予算の10%程度とされており、純粋な実入りは優に数億円は行っていただろう。
資産も都心のマンション、海外でも居宅を保有、2007年に死去した際には、個人資産は優に10億円以上とも言われたほど。
天才は一代限りを思い知らされる。