競売農場から18億円のフェラーリなどヴィンテージカー60台発見

 フランス西部の山村の農場で、「フェラーリ250GT SWBカリフォルニアスパイダー」(1961年製)などのヴィンテージカー60台が発見された、と自動車オークション会社アートキュリエルが発表した。約50年も放置されていたもので、フェラーリは来年2月の競売に出品されるが、落札予想価格は1200万ユーロ(約17億5000万円)と見られる。多数のヴィンテージカーが山村の農場で一同に見つかることは異例のこと。

 競売会社アートキュリエルによると、フランス西部の山村にある競売にかけられた農場から、約50年もの間放置されていたヴィンテージカーが見つかるという珍事が起きた。同社マネージングディレクター、マシュー・ラムー氏は「ツタンカーメンの墓を初めて発見したような気分で、感極まるものだった」と述べている。

 今回見つかったコレクションは、1950年代から当時の起業家ロジャー・バイロン氏が集めていたもの。第二次世界大戦後は、運送業が繁盛しており、バイロン氏も運送業で富を築いた。元々、熱狂的な車マニアだったこともあり収集を開始した。いずれは、車の博物館のを建設し展示しようという夢も持っていたと言われる。

 しかし、本業が苦境に陥ったことでコレクションの大半を売却。それ以外の車は発見されていなかったが、それらのものがこうして残っており、今回発見されるにいたった。同社によると、保存状態が思ったほど悪くないという。もちろん、いくつかはレストアの必要がある、としている。

 発見するまでには長期間にわたる綿密な調査を行ったという。

 今回発見されたものの中では、「フェラーリ250GT SWBカリフォルニアスパイダー」(1961年製)は、価格予想レンジ950万~1200万ユーロ。「マセラティA6Gグランスポーツフルア」(1956年製)は同程度の価格予想レンジ800万~1200万ユーロとされている。

 フェラーリの方は、映画「Les Felins」(1964年)で登場し、アラン・ドロン、ジェーン・フォンダが乗っていた車でもある。ともに、2月6日にパリで開催するオークションで出品する。いくつかは富裕層らのコレクションになると見られるが、いくつかは博物館に行くことになりそうだという。


「フェラーリ250GT SWBカリフォルニアスパイダー」(1961年製)=左 「マセラティA6Gグランスポーツフルア」(1956年製)


よかったらシェアしてね!
目次
閉じる