LVMH対アップル、2015年は腕時計で戦いの火ぶた

 LVMHがグループ内で、スマートウォッチの開発を発表していたが、どうやらタグ・ホイヤーからの発表になり、2015年は高級腕時計ブランドがアップルやサムスンとのスマートウォッチの戦いが始まることになりそうだ。


 LVMHグループのウブロCEOのジャン・クロード・ビバル氏が、参入の意思を表明した、とこのたびロイター通信が伝えている。ビバル氏は先にアップルがアップルウォッチを発表した際には、「ファッショナブルなセックスアピールはない」「子供向け」などデザイン面で厳しく批判していた。

 もちろん、すでにLVMHのグループ内のいずれかのブランドから、提携先を探して事業スタートを明言していた。ウヴロ、ゼニス、タグ・ホイヤーと各ブランドがあるが、従来から予想されていた通り、よりスポーティなタグ・ホイヤーとなったようだ。
肝心の提携先にはついては、明かされなかった。

 デザイン面で批判をするあたりは、そもそも敵ではないという印象。だが、ビジネスとして今後はシェアを侵食されていく可能性に危機感はあるようだ。

 スマートウォッチは元々は据え置きのデスクトップ(パーソナルコンピュータ ⇒ 携帯電話&タブレット ⇒ ウェアラブル)から、携帯電話、ウェアラブルとなったもの。ウェアラブルとはすなわち、身体に着用するウェアでもあり、高級ファッションブランドの領域に入ってきたことは説明するまでもない。

 将来的には領域を浸食していく可能性を持ったものであるが、それは、ファッション性ではなく、あくまでも機能面としてだろう。

 スマートフォンはすでに全世界で3億台以上を出荷しており、iPhoneは3割以上のシェアを握る。アップルウォッチはスマフォとの連動が前提となっており、アイフォンユーザーを強固に囲い込むアイテムにもなるだろう。

 アップルは、バーバリーのアンジェラ・アーレンズ最高経営責任者を、タグホイヤーから販売担当VPのPatrick Pruniaux氏、イヴサンローランCEOのポール・デネヴ氏ら高級ファッション業界から大物を3人も引き抜いている。ただ、3人ともに販売部門であり、デザイン部門ではない。LVMH側からすれば、デザイン面での脅威はないと考えている一つの理由だろう。

 ただ、ウェアラブルである以上は、何も腕時計である必要性はないものの、腕時計を選んだアップル。こうなれば、高級ブランドとの戦いは必然となる。スウォッチグループなどの出方も今後は気になるところだ。

 いずれにせよ、LVMH対アップルの戦いはすでに始まっている。

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