豆腐店から大富豪のセガサミー会長宅発砲事件、カジノがらみの脅迫説

 東京・板橋区の遊戯機器大手セガサミーホールディングスの里見治会長兼社長宅で、銃弾が見つかった。日本有数の大富豪の自宅に銃弾が撃ち込まれるという異例の事件だが、カジノで同社の参入が最も有力視されている中での脅迫との見方が現状では強い。

 14日、事件が伝わると同社株は急落し、一時は3%以上も株価が下げる場面があった。カジノ利権を最も享受すると見られている同社だが、何らかの影響を心配した売りが出たようだ。

 里見氏は元々は先代が営んだ豆腐店から出発し、ゲーム機器の製造販売に乗り出し、途中で経営破たんなど苦しい時期を経て、スロットなどに参入。現在は11億ドルの資産を築きあげた立志伝中の人でもある。カジノを開くにあたっては欠かすことができない存在でもある。カジノ誘致がどこになっても、同社は外せないとも見られている。

 その大きな理由と見られているのが、政権との蜜な関係でもある。

 2013年に愛娘の披露宴が行われているが、出席者によると、安倍首相をはじめとして閣僚が勢ぞろいしたという。また、司会者は徳光和夫氏が務めたり、ここでは名前は挙げないが、多くの有名人の出席、あるいはメッセージを寄せるなどひじょうに豪華なものだったという。

 その娘婿となった元経産省キャリア官僚の鈴木隼人氏(37)は東大在学時にはタレント活動も行っていたほどでさわやかな好青年風。それが、先日の総選挙で自民党から比例で立候補して当選を果たしており、周りを固めまさに盤石である。

 トップ、もしくはトップの会社を銃撃というのはこれまでにも数多くあったが、2013年12月の王将フードサービス社長銃撃事件は記憶に新しいところ。大東隆行社長は死亡し、現在も事件は解決しておらず、中国人ルート、九州ルート、内部犯行などが浮上しているが捜査は現在も難航している。

 カジノは周辺事業に裏社会が張り付いているのは海外でも同じ。里見氏の事件は利害や動機が現状ではハッキリせず、まだ単なる脅しに過ぎないとの見方が強い。

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