DeNA創業者の南場智子氏(52)が16日、プロ野球横浜DeNAベイスターズの新オーナーに就任することが決まった。女性の就任は、日本のプロ野球80年の歴史では初めてのこと。
南場氏は2011年に家族の介護のために本社の社長職を離れたが、2013年に復帰していた。球団自体は2012年からスタートしたために、当時も社長であれば、もっと早くオーナーに就任していた可能性も高い。DeNA株式13.10%を保有する筆頭株主で時価で283億円。
これで現在の日本のプロ野球界は創業者(もしくは創業家)系が8チームとなり、サラリーマン社長がオーナーを務める時代ではなくなりつつあるようだ。もちろん、球界の盟主である巨人と阪神がサラリーマン型である以上は根強く残るだろう。
◆サラリーマン系:読売新聞社、中日新聞社、西武HD、阪神電鉄
◆創業家系:ソフトバンク、オリックス、日本ハム、ヤクルト、DeNA、楽天、マツダ、ロッテ
基本的にはソフトバンクなどの創業者(もしくは創業家出身)、読売新聞社などのサラリーマンからの内部昇格系に分けられる。西武は珍しい形態となっており、かつては堤家が支配したが、不正会計などの問題で失脚したのちは、銀行出身者のトップがオーナーも兼ねており異色だ。
創業系チームは大抜擢でもなければ女性オーナーの誕生は難しく、サラリーマン系も本社の社長への昇進というのは狭き門であり、いずれにせよ、今後も女性オーナーの誕生はほとんどないだろう。
海外に目を転じると、イタリアプロサッカーリーグのセリエAの名門ACミランには、バルバラ・ベルルスコーニ氏(29)がいる。オーナーは伊首相も務めた大富豪シルビオ・ベルルスコーニ氏だが、その長女だ。父親に次いでクラブのナンバー2であるが、表だって行動がしにくい父に替って実質的には経営権を掌握し、目立つ存在となっている。
オーナーは最も重要な人事権を掌握しており、球団運営に力を持つ。日本では今後も出現の可能性はほとんどないとも考えられるために、南場氏の手に期待がかかる。