2014年世界の商業不動産取引82兆円に、18%増

 2014年世界の不動産投資額は5年連続増の7000億ドル(約82兆円、対前年比18%増)となることが、不動産サービス会社JLLの調査結果によって明らかになった。これは、 リーマンショック前の9割超の水準まで回復したことになる。また、今年2015年の投資額は、日本は7%増の438億ドル(4兆6900億円、18%増)、世界の投資額は7300~7500億ドルと予測した。


 JLLの投資分析レポートの速報版によると、世界の不動産投資総額は前年同期比18%増の7000億ドル、日本の2014年の投資額は同7%増の438億ドル(約4兆6900億円、18%増)となった。

 日本をはじめとした、主な不動産市場の要点は次のとおり。

・日本は、2014年第4四半期の投資額は、前年同期比32%増の152億ドル、円建てでは52%増の1兆7400億円となった。

・J-REIT市場においては、12月に積水ハウス・リート投資法人が資産規模1143億円で上場。11月に日本初のヘルスケア特化型上場リート、日本ヘルスケア投資法人が上場するなど、3つ新規上場。また、パシフィックセンチュリープレイス丸の内やみずほ銀行旧本店ビルなどの大型取引も見受けられ、投資額は前年同期比、前四半期比ともに大幅増加となった。

・アメリカ大陸の通年の投資額は、アメリカ、ブラジル、メキシコで継続して投資活動が活発だった一方、カナダでは昨年を若干下回るパフォーマンスとなった。

・EMEAの通年の投資額は、前年同期比21%増の2670億ドルとなり、アメリカに続き高い水準に。イギリス、フランス、ドイツの成長(前年同期比17%増)に加え、北欧諸国は41%増、中東欧は51%増、ベネルクスは61%増、南欧70%増となった。

・アジア太平洋地域の通年投資額は、前年同期比1%増の1280億ドル。しかし、2014年第4四半期の投資額は420億ドルとなり、四半期ごとの投資額としては、同地域において最高額となった。

 JLLリサーチ事業部長の赤城威志氏は「2014年通年では、前年比倍増した2013年の投資額からさらに拡大し、依然として新規上場や物件取得の動きが見られる上場REITに加え、私募REITやその他ファンド、海外投資家による投資額の増加が目立ちました。多くの企業の決算期である3月が含まれる来期の投資額に期待が高まります」と見ている。​

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる