ヘッジファンド通算リターンランキング 40代アックマン氏が初ランクイン

◆2014年は45億ドルのリターン


ビル・アックマン氏
 2004年に運用を開始したパーシング・スクエア・キャピタルマネジメント。48歳のアックマン氏はハーバード大でも成績優秀者に贈られるマグナ・カム・ロードを受けたこともあるほどで、同ビジネススクールでMBAを取得している。実は1992年に自身の運用会社を立ち上げたことがある。この時、26歳。カール・アイカーン氏との有名な「20年戦争」のきっかけとなった取引もここで起きている。最終的にはこの会社は失敗し、2004年にパーシング社を立ち上げる。

 アックマン氏は、プライベートでは「釣り師」。実はパーシングの第一号社員は釣り堀のガイド。さらに、偶然出会ったタクシー運転手らを誘い計5人でスタートした会社だった。

 アクティビストとして、現在はライバルのカール・アイカーン氏に並ぶ代表的な存在でもある。外部環境も同戦略にとって良好なこともあり、今年以降のリターンにも期待が持たれている。

 昨年のリターン総額45億ドルと見られている。最も印象に残るトレードは、製薬メーカーのバリアントによるアラガンのM&A。買収が決定したことでリターンは、30億ドル以上に上る。バリアントとの共同戦線を張ったために利益は分け合うが、ほぼ3000億円レベルの儲けは手にしている。

 昨年は苦しむヘッジファンドが多数。プレキンの調査結果によると、ヘッジファンド全体の平均リターンは3.78%にとどまり、2013年の12.25%から大幅ダウンとなっている。

 同じく2000年代スタートでトップ20入りしている、ブレバン・ハワードは昨年は苦戦を強いられ、このランキングでは2013年の9位から14年は12位に順位を落とした。また、3位のジョン・ポールソン氏も、2007年の伝説に残るリターンが色あせるような成績が近年は続いており、資産は全盛期の約半分になっている。

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