「テラスハウス」4.5億円で発売中、バイブス上がるシェアハウス投資

 シェアハウスで男女共同生活する様を放送した、フジテレビ系人気バラエティ番組「テラスハウス」のロケ地となった住宅(神奈川県鎌倉市七里ガ浜)が4億5000万円で売りに出されている。不動産投資の中でも一つのジャンルとして確立したシェアハウス。では、実際の不動産投資としての運用実態はどのようなものなのか。

 シェアハウスとは一つ屋根の住居を複数人で共有する方法で、テラスハウスは複数の戸建て住宅が連続する集合住宅。この番組タイトルこそ「テラスハウス」だが、実態はシェアハウスだ。

 鎌倉市の海岸沿いに立地し、劇場版のテラスハウスでもこの住宅がロケ地ともなっている。土地面積は約458平米、建物面積約345平米で、地上2階、地下1階建て。4.5億円という価格から考えれば、シェアハウスとしては採算が合いそうにないが、セカンドハウス兼テレビや映画のロケ用として貸し出すのが最も合いそうだ。

 さて、シェアハウス投資だが、「日本シェアハウス・ゲストハウス連盟」が行った調査に参考になるデータがある。シェアハウス事業への興味・関心は次のとおり。

・「新規事業として(投資を含む)」52.4%
・「空物件の有効利用として」36.5%
・「社会貢献」25.4%

 元々、古くて広い家を大規模に建て替えせずに不動産投資ができる再生案としてシェアハウスは投資家に用途を提供し、また、入居者の側でも、自然と人的交流ができる上に安い費用で入ることがでいるというニーズが合致して広まった。

 シェアハウスは、1999年から2013年までに、事業者数は20倍以上になっている。中には、入居者が順番待ちのところまであるといい、一つの社会現象でもあり、番組になるはずだ。さて、主な特徴だが次のとおり。

◆シェアハウス入居者の特徴
 入居者の男女比は全事業者の4分の1が女性のみ。一方で男女比が同程度は全事業者の4割強を占めている。国籍別にみると、外国人が1、2割程度の事業者は全体の半数ほど。日本人のみの入居者の事業者は全体の4分の1ほど。入居理由としては「初期費用が安いから」「外国人や経歴の異なる人々と交流できそうだから」「家具・家電付きの物件だから」という点が多い。

◆運営・管理状況
 全事業者の6割以上がサブリース方式を採用しており、4割が業務受託方式で、物件を自己所有しないで運用するケースが多い。※複数回答

◆ターゲットとする入居者像
 全事業者の約8割が社会人、6割が外国人を入居者候補として重要視している。外国人と共同生活をすることによって語学力をアップしたいと考えている人は多く、外国人を顧客とすることで日本人居住者の集客アップにつながるという面もある。その一方で、管理の難しさもあり、日本人のみを条件とする物件もある。

◆入居時のマネジメント
 定期借家契約が全事業者の8割を占めており、1~6カ月、6カ月~1年未満がそれぞれ3割を占める。入居審査については、庵数が年齢制限があり、8割以上が入居審査を実施。また、事業者の6割以上が入居拒否を行うことがあり、その理由としては「コミュニケーション能力に問題がある」「入居者との性格的な相性が合わない」「入居期間が短い」「高齢のため」となっている。

◆入居者トラブル
・「入居者間・管理側との人間関係」51.1%
・「掃除、ゴミの問題」48.9%
・「家賃の滞納」36.2%
 他には鍵の紛失、外部の人間の無断宿泊、近隣とのもめごとなどがあるようだ。

◆今後のシェアハウス事業の見通し
 過去に閉鎖した経験がある事業者は約4割。4分の3の事業者は今後も規模を拡大していきたいと考えている。

 この調査には利回りについては触れられていないが、元々、ワンルームよりは良く、うまく回せば10%、20%という利回り物件もあるようだ。

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