LVMH営業減益、エルメス株売却で最終黒字確保

 仏の高級ブランドグループLVMHが3日発表した2014年通期決算で、売上高は前年比6%増の306億3800万ユーロとなったものの、営業利益は同5%減の57億ユーロと減益になった。一方で、エルメス株の売却という要素を加味すれば、純利益は同64%増の56億ユーロとなった。配当は1株あたり3.10ユーロから、3.20ユーロへ3%の増配を決めた。


 中国の厳しい汚職取り締まりや自粛などによる消費停滞から、LVMHの通期決算で本業のもうけを表す営業利益は前年比5%減の57億ユーロとなり、5年ぶりの減益となった。

 最終利益こそ、仏高級ブランドのエルメスとの間で争ってきた株式の問題が、エルメス株主への割り当てをすることで和解し、その売却益をあてたことで、黒字が拡大した。

 部門別で見れば、ワイン&スピリッツ、時計&ジュエリーが2ケタの利益減と足を引っ張った。

◆部門別の営業利益
ワイン&スピリッツ 11.47億ユーロ  -16%
服飾&レザー    31.89億ユーロ   2%
香水&コスメ     4.15億ユーロ   0%
時計&ジュエリー   2.83億ユーロ  -23%
セレクト       8.82億ユーロ  -3%
その他        2.01億ユーロ   -

 ブランド別の数字は発表されていないが、名前が挙がっているものとしては、ジバンシー、フェンディ、セリーヌ、ヴェルルッティ、ケンゾーなどが着実な伸び。ブルガリ、クリスチャン・ディオール、タグホイヤーも世界でシェアを拡大している。

 名前の挙がった商品名としては、時計の「Lvcea(ルチェア)」スキンケアのアベイル・ロワイヤル」のヒットがある。

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