ポール・ゴーギャンの絵画「Nafea Faa Ipoipo(ナファエ・ファア・イポイポ)」=いつ結婚するの(1892年)が7日、プライベートセールに掛けられて、絵画史上最高額となる3億ドル(約360億円)で落札された。
英メディアによれば、同画はスイスの著名コレクターの一族が保有しており、非公開のセールによって、カタール王室関係者が落札したのではないかという。落札額は3億ドルと史上最高額となった。
これまでの最高値は、同じくカタール王室関係者による、ポール・セザンヌの「カード遊びをする人々」(2億5000万ドル)だった。これまでの絵画は、2006年、2013年に高値の取引が偏っているが、2015年初頭に高額取引が出たことで、今年の取引の弾みとなるかもしれない。
◆海外市場高額取引(価格、作者、作品、取引年、オーナー)
1 3億ドル ポール・ゴーギャン「ナフェア・ファア・イポイポ(いつ結婚するの)」 2015年
カタール王室
2 2億5000万ドル ポール・セザンヌ「カード遊びをする人たち」 2011年
カタール王室
3 1億6540万ドル ジャクソン・ポロック「No.5,1948」 2006年
デビッド・マルティネス
4 1億6240万ドル ウィレム・デ・クーニング「Woman3」 2006年
スティーブ・コーエン
5 1億5850万ドル パブロ・ピカソ「ル・レーヴ」 2013年
スティーブ・コーエン
6 1億5840万ドル グスタフ・クリムト「 アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像1」 2006年
ロナルド・ローダー
7 1億5200万ドル ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ「医師ガシェの肖像」 1990年
齊藤了英
8 1億4500万ドル フランシス・ベーコン「ルシアン・フロイドの三習作」 2013年
スティーブ・ウィン
9 1億4390万ドル ピエール・オーギュスエ・ルノワール「ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット」 1990年
齊藤了英
10 1億3110万ドル パブロ・ピカソ「パイプを持つ少年」 2004年
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世界中のブランドの取得を目指すカタール王室関係者と、著名ヘッジファンドマネージャーのスティーブ・コーエン氏の名前が目立つ。3、4位の作品はかつてはエアロスミスなどをプロデュースした大物音楽家デビッド・ゲフィン氏が保有し、アート界の名士の名前をほしいままにしてきたが、時代が変わりつつあるようにも見える。
カタール王室、コーエンの2者が主要プレイヤーとなったようだ。