フェラーリ家、株式売却意図なし

 伊大手自動車メーカーのフィアットクライスラーグループが保有するフェラーリ株式10%を新規株式上場(IPO)する件で、フェラーリ家の現当主であるピエロ・フェラーリ氏が、株式売却の意図はないことを、ロイター通信に語っている。


ピエロ・フェラーリ氏
 フェラーリ株は80%を既存のフィアット株主に割り当てて、10%は新規株式上場を果たし、残りの10%はフェラーリ家に割り当てられる。フィアットとしては、それと同時に25億ドルの転換社債を発行する。

 フィアットグループの筆頭株主は、伊大富豪のアニエリ家の資産管理会社であるエクソール社で、30.05%を握る。次いで、プライベートエクイティのベイリー・ギフォードCO、投資ファンドのヴァンガード・インターナショナルグロースファンド、中国の大手銀行の中国人民銀行と続く。

 割り当ての比率はこの時点では判明していないが、F1の運営権にも関心を寄せるアニエリ家がフェラーリの筆頭株主になることはほぼ間違いない。フェラーリ家の影響力は弱くなるものの、ピエロ氏は売却意図はないむねを語っている。

 ピエロ氏は、先代のエンツォ氏と夫人以外の女性との間に生まれた非嫡出子。母違いの弟ディーノ氏は若くして亡くなっていることもあり、エンツォ氏死亡の後はフェラーリ家の当主となっている。

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