世界位置の大富豪であるビル・ゲイツ氏の慈善財団ビル&メリンダゲイツ・ファンデーション・トラストが、米コカコーラ、マクドナルドの株式をすべて売却していたことが、SEC(米証券取引委員会)に提出したファイルでわかった。また、エクソンモービルもすべて売却しており、潮目を感じさせる。
SECによると、2014年第3四半期にゲイツ氏の財団が保有していた分は次のとおり。
◆エクソンモービル 7億6593万ドル 814万株
◆コカコーラ 9億1419万ドル 2142万株
◆マクドナルド 10億3082万ドル 1087万株
公私ともに、また投資でもかなり志向が似ているウォーレン・バフェット氏の投資会社バークシャーハサウェイがコカコーラの発行済み株式9%を保有する筆頭株主である。そのコカコーラは、昨年の株主総会ではバフェット氏から、ストックオプションの比率の高さに対して反対意見も出た。また、2019年までに最大で30億ドルのコスト削減する目標も出たほど。
米国の消費者意識に変化が出ており、コカコーラの2014年10~12月期決算は、純利益が前年同期比55%減の7億7100万ドルと落ち込んだ。
ただし、コカコーラ商品の世界2位の市場であるメキシコで展開するコカコーラフェムサ(6億2594万ドル 624万株)の株式保有は継続したままであり、米国の消費者行動を示すものととらえても良いだろう。
これらの投資判断はゲイツ氏ではなく、投資会社カスケードインベストメントが行っているものでゲイツ氏の意思が必ずしも反映されているというものではない。
一方で新たに加わったものではユナイテッドパーセルサービス(5億308万ドル 452万株)、ウォルグリーンズブーツアライアンス(2億6480万ドル 340万株)がある。