シンガポール上位2%に所得税増税

 シンガポール政府は24日、国民の上位2%にあたる高額所得者の所得税率の増税を行うことを決めた。年間で4億ドル以上の税収増の効果を見込んでいる。

 政府が出している声明によると、中間層、高齢者、若年層への年金かけ率の上昇、給与増加、福祉基金に充当するために、富裕層個人からの所得税、企業からの法人税、自動車関連の税などから財源をねん出する。

 背景には高齢化社会が進んでいることがあり、財政支出の増加が見込まれている。2016年分の年収が対象となり、実施施行は2017年からになる。

 新たな税制によって、高額所得者の実効税率は次のようになる。

25万ドル 8.3%⇒8.5%
80万ドル 16.0%⇒17.4%
150万ドル 17.9%⇒19.3%


 ターマン・シャンガラットナム副首相兼財務相は「経済を再構築していき、次世代をサポートし、すべてのシンガポール人のために住みやすく質の高い医療を提供するため社会インフラに投資していく。また、老後の保障も強化し、中所得層のサポートも強化する」としている。

 政府によると、国内の高額所得者上位10%が、全所得税中に占める割合は8割にも上るという。

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