ワールドゴールドカウンシル(WGC)がまとめた2014年の世界の金に関するレポート「The direct economic impactof old」によると、日本国内での年間需要が対前年比16%減の17.9トンとなった。金額ベースでは同21%減の7億3900万ドルとなったことがわかった。世界全体では、同4%減の3924トンとなった。ロシア中央銀行などによる大幅に買い増す動きも目立っている。
2014年は前年比減となったものの、その前年の2013年が過去にないくらいの需要があったために、大幅な下落というまでにはいたらない。個人需要の中核を成すプレイヤーである中国本土、香港、インド、台湾などアジアの富裕層による宝飾品需要が減少したものの、新興国の中央銀行などの需要はまだ減少しておらず、下支えができているようだ。
ETFは2013年のマイナス880トンに次ぎ、2014年はマイナス159トンと減少した。しかし、中央銀行は前年比17トン増の477.2トンと買い増し需要は高く、過去2番目に多い買い越しとなった。
特にロシア中央銀行は保有高の36%にあたる173トン購入している。背景には、昨年末に通貨ルーブルが金価格に対して82.8%も下落するという急落があった。
◆各国中央銀行の金保有高
1 米国 8133トン
2 ドイツ 3384トン
3 IMF 2814トン
4 イタリア 2451トン
5 フランス 2435トン
6 ロシア 1208トン
7 中国 1054トン
8 スイス 1040トン
9 日本 765トン
10 オランダ 612トン